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トリアノン店主・安西由紀雄のブログ

高円寺駅前で創業52年のトリアノン洋菓子店店主・安西由紀雄のブログです。新作スイーツのお話や、昔話など少しずつですが、ご紹介したいと思います。

プロフィール

trianon

Author:trianon
トリアノン店主 安西 由紀雄
20才の時トランクを2つ持って、横浜からフランスの貨客船に乗りフランスへ菓子の修行に行きました。3年間パリで学んだ後、スイスのチューリッヒにて1年間スイス菓子を学び、日本に帰国。父の店トリアノンに入りその跡を継ぎ、現在もお客様に愛される店作りに専念しています。

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  • 昔話その7  耳の話

いつもありがとうございます。

今日も50年前の話をさせて頂きます。

横浜から船に乗って渡欧したわけですが、
北上する黒潮に逆らいながら、1万5000
トンの船は良く揺れ最初の寄港地香港まで
の4日間は、船酔いに苦しめられました。
やっとの事で香港に上陸しても、一日中
船に乗っているようにふわふわした気分
が続きました。
同室の香港人に夕飯をご馳走になり
久し振りに気分良くおいしい料理が食べ
れました。

翌日、船はフイリッピンのマニラに向けて出港
しました。
もうそれ以降、揺れなくなったことと、なれた
せいもあり、船酔いもしなく快適な船旅が
続きました。
それで今までは入れなかった風呂に行き、
体を洗っていたら、不覚にも浴槽の中で
石鹸のせいもあったかもしれませんが、
滑ってしまい浴槽のふちに頭を、イヤっと
言うほどぶつけてしまいました。
浴槽に血が流れ、見るのが怖かったけれど、
鏡を見たら頭や顔から血が流れていたので
余計恐ろしくなり、急いで下着とズボンを
はき上半身裸で通路に出ました。
通りかった船員も驚き私の手を引いて
医務室まで連れて行ってくれました。
ちょうど医者がいて、すぐに見てくれ耳が
切れていると言う事で、そこを3針縫って
くれました。
耳がクッションになって、頭蓋骨にまで響か
なかったようです。
翌日からは、船員や乗客に会うたびに、
”どうしたの”とか”痛いか”とか、”風呂に
入る時は注意しないと”とか、言われて
しまいました。
どのくらい経ったか忘れましたが、抜糸して
包帯が取れたころには、もう誰も私の事は
見向きも、話しかけもしてくれなくなり、
普通の状態になってくれました。

しかし私は、それ以降 怖くて風呂もシャ
ワーも出来なくなりました。
船室の洗面所で洗髪したり体をふくだけでした。
今でもホテルの浴槽に入る時には緊張します。
いつも浴槽の底が滑りにくくなっているかを
確認します。
やはり何といっても肩までお湯に浸かれる
日本の風呂が一番だと思っています。

毎回50年前の話ばかりで恐縮しています。
記憶が薄れてしまう前に、何とか書いておこう
と個人的な事情ですが、どうぞお許しください。
従ってもう何回か続きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

ありがとうございました。

    トリアノン店主  安西 由紀雄
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